潜水漁師が船長を務める石川県橋立漁港の遊漁船

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海辺のワインディング・ロード

今日もしっかりと(?)シケてます。まぁ、いいや、好きなだけシケてくれ。

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自宅に帰る途中の海辺のワインディング・ロードから望む泉の浜、小雪まじりの冷たく、強い風がビュンビュン吹いてます。

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シケると港内に入ってくる波や風から船を守るため、岸壁から船を離して四方からロープで固定します。

このことを「ハリをとる」といいます。ハリをとれば明日の休みが確定します。漁師たちは心踊りながらハリをとります。パチンコやスナックへ行ってらっしゃい。散財してらっしゃい。

                    ~シケの日に思うことシリーズ~

                  夏の台風のときの船の避難先の話

学生のとき、夏と春に沖縄・西表島のダイビングショップへ長期丁稚奉公に行き、ダイビング技術の習得に勤しんでいたときの話です。

西表島という響きに胸が騒いだものでした。なんかこう珊瑚、亜熱帯、ジャングル、といった原始的なものがむき出しであるような感じです。

新宿の居酒屋で慣れない酒を飲み、気持悪くなると喉の奥に指を入れ嘔吐し、また、なにくわぬ顔をして飲み続ける・・・といった生活を繰り返しているうちに、沖縄へ行こう、それも遠い遠い離島へ、無垢で清浄な島へ行こうと思いつめていました。

西表島まではとにかく遠いのです。羽田→那覇→石垣空港・石垣港から高速船で40分で到着です。
当時は一日がかりの移動でした。いや、最後の船が間に合わなかったから2日かかりだったかな・・・

西表島には一周道路がなく、北側半分だけ舗装道路があり、あとの南側の半周は未開地です。マングローブが河口付近に生い茂り、潟のような湿地のような砂地が広大に続きます。ジャングルからは細い滝が遠くに見え、何百もの鳥達の鳴き声が咆哮し、、シダ系の湿った葉が太陽の光を遮っています。

夏のベストシーズンは台風が最も良く通るシーズンでもあります。台風が接近すると、船は満潮のときに港を出てマングローブが生い茂る川へ上がって行きます。

枝分かれした細い川まで移動して、木にしっかり固定して係留するのですが、最後は人力で船を引っ張りながらの作業となります。

            「おい、良平! 寝てるのか? ちゃんと引っ張れよ!」

                「水底がぬかるんでなかなか力が入りません・・・」

やっとこさ、船を固定したあとは、川を歩いて帰ります。砂地には無数のカニ、川にはチヌがキラキラと泳ぎ、鳥とも猿ともつかないような鳴き声がジャングルの奥から聞こえます。長い昼が終わりに近づき、オレンジ色の太陽が静かに沈んでいきます。

      台風前のナギで風が止まるように時間までもが止まっているような感じでした。

オーナーと二人、車にたどり着きショップへ帰る途中のこと、窓からボンヤリ景色を見ていると、運転席がバタバタと変な音がします。

運転席のオーナーの方を見ると、なんと黒いビニール袋に顔を覆われもがいているではありませんか!
水濡れ防止のために敷いてあったでかいビニール袋です。


  私          「ギャハハハハハ!何してるんですか!?」

 オーナー       「良平!早く助けろ、前がみえんやろ」

  急いでビニール袋を顔からむしり取ると、照れ笑いを満面に浮かべて、

  オーナー      「良平・・、すぐに助けんと笑っとったやろ? アハハハハ!」

  私          「ハァ、ハァ、腹イテェ、 オーナー、それは新しいギャグですか?」

大阪の近大潜水部出身のオーナーの関西弁がとても面白く、最後にオチがついてくる話法はダイビング以上に勉強(?)になりました。


夕暮れの中、海辺のワインディング・ロードを大笑いしながら飛ばして帰ったものでした。楽しかったな~

そして、もう帰らない夏の日です。


           

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