潜水漁師が船長を務める石川県橋立漁港の遊漁船

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2008年11月30日

シケの日に思うこと パート2

昨晩から吹きだした強風の影響で海は大シケ、底引き漁は休漁です。

今はだいぶんと風が落着いてきましたが、波3mでウネリが残ってます。朝ナギ(早朝出漁すること)だといいんですが・・・

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加佐岬の灯台から撮影。これじゃ沖にでれないな。

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遠くに見えるのは橋立港の入口の一文字灯台と赤灯台。空は鉛色、たまに晴れ、たまにどしゃ降りの不安定な天気です。

         ゛弁当忘れても傘忘れるな゛ 北陸の冬を如実に表している諺です。

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こんな日にこそたっぷり家族サービスをしなきゃね。遊びが終われば、後はただただ我を忘れるほどジョギングします。

      心に傷でもあるのだろうか?傷がなんであるか私自身もわからないのに・・・

     時は流れていろいろなことは忘れてしまうけど、今だに心の奥に残るお話シリーズ

                  ~今までで一番ウケた話~

10年以上前、結婚する前の話です。嫁さんの三鷹のアパートでのこと。私と嫁さんと嫁さんの妹Mちゃんの三人で晩御飯を食べた後、Mちゃんの視力の低下原因と近視との関係について私がわかり易く説明してました。

「・・・遺伝とかもあるけど、そもそも近視とは遠くを見たときに、網膜より前でピントがあってしまうんだ。水晶体の屈折力が強すぎたりとか・・・いろいろ原因はあるがMちゃんは暗いところで本やテレビの見すぎだよ・・・」

「へぇー、戸井君(今だにこの呼び名)て学校の先生みたいで説明がうまいね。初代仮面ライダーの藤岡弘みたいな喋り方だし・・」

と妹さんはしきりに私に感心してました。調子にのった私はますます饒舌になり図解入りで説明。しかし、最後の締めところで全てをぶち壊す、言ってはならないことを言ってしまいました。

「近視には仮性近視と真性近視があり、Mちゃんの場合はまだ仮性近視の段階かもしれないから、近くのものを見たら、遠くの景色を見て眼をリラックスさせてね。」

と言って締めるはずだったのに、

    「近視には仮性○茎と真性○茎があり、Mちゃんの場合はまだ仮性○茎の段階かも・・・」

 ・・しまった、私めは何言っちゃってんだろうか?レディーに対してよりによって○茎とはマズイぞ・・・

 2人はキョトンと顔を見合わせて、しばしの間沈黙、そしてはじけるように大爆笑・・・ チョー恥ずかしい・・穴があったら潜りたい心境でした。

2人はまともに座ってられず床に転がりエビのように体を震わせ、泣きながら笑いころげてました。

         「ダメだ・・戸井君、面白すぎ・・あ~腹筋イテェ・・」 

いや、別にウケを狙ったわけじゃないんだけど・・・事故です。

三鷹のボロアパートが揺れるくらいの大騒ぎ、翌日大家さんからクレームがきました。そりゃくるよ、もう少しで床ぬけそうだったから・・

その後の私のイメージは、最後になんかやらかす面白い兄ちゃん、になってしまいました。

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お隣りの秋友さんからいただいた灰皿です。
厚みがありずっしり重たいです。厚みの間には惑星のような気泡が散りばめてあります。まるで宇宙のようです。

私はアスリート(?)なのでタバコは吸いませんが、ただ眺めるだけでも心が落着きます。秋友さん、ありがとう!

2008年11月28日

セリ前にすること

時間があるときは、以前乗っていた宝勝丸の荷下ろしの手伝いをしています。もちろんボランティアです。堤防の向こうに宝勝丸の船影が見えてきました。

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カニ満載です。コウバコは少なめですが、ズワイは大漁です。明日はシケだから折り返しはなし。若い衆はホッと一息、リラックスムードが漂います。

ダイハチ車にカニを積み込みセリ場へ急ぎます。

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カニをおろして、選別開始です。ズワイチームとコウバコチームに別れて作業、私とマルヤ水産三代目御曹司がペアを組みズワイを選別。

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大きいものから順に並べます。

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甲羅が少し割れていたり、足の関節がグラグラしているような、キズがついたカニは撥ねておきます。

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足の一番下の小さい足が欠落しているものも撥ねます。あと足が一本ないもの、2,3本ないもの、甲羅が少し薄いもの、これらはひとくくりのグループとして分けておきます。

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選別が終わったらパック詰めです。大きくて良いカニから、甲羅を下にして詰めていきます。一番蟹は軽く3万円を超えます。高いときは5万円・・・

一番蟹の腹は飴色に輝き、ズッシリ重くて元気がいいです。私には買えないな・・

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パック詰めしながらカニの足にタグ付けをします。橋立ブランド力強化のために欠かすことのできない作業。橋立はブルータグですが港によって色が違います。

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品質に自信のあるズワイガニのみにタグ付けます。ちなみにコウバコにはつけません。

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完了です。あ~、疲れた。私はここで一旦、家に帰り、注文の最終確認をします。

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18:30にセリ開始です。胃の痛くなる時間です。コウバコが品薄のせいで高値がつきました。ズワイはまぁまぁの値かな。

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この料理一皿の奥には気の遠くなるような作業があります。漁師の方々に感謝して食べましょう。

2008年11月25日

蟹パーティの夜はふけてゆく

シケが続いていた先週、仕事もせず、窓越しに荒れた海を眺めながらため息ばかりついているとウツになる恐れがあったため、気分転換をかねて蟹パーティーを開催しました。

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用意したズワイ、コウバコは全て足折れです。足が2本くらいないカニはとても安く、プロレタリア階級の私にとってたいへん有難いです。自宅でのパーティで使うならこれで充分です。

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仕込み開始です。陣頭指揮は今日のホストの私です。みんな手分けして捌きます。

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コウバコ(雌ガニ)の足は細いので、麺棒を使ってムニュッと取り出します。

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まずは一品完成、ズワイもこの要領で捌きましょう。

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焼いたアジにキノコと柚子の入った甘い味噌をつけて、軽く炙ります。

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海と山と田んぼと畑の幸が一皿に表現できています。これをコンテンポラリーアートと呼ばずになんと呼ぶ。

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山盛りの蟹、カニ、かに・・・ 料理屋でこれだけの蟹を注文したらいったいいくらになるんだろうか?

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ゲストが到着、みんな揃ったところ乾杯! 蟹たくさん食べてね。

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付け出しはシバタケと大根おろしの和え物、塩、砂糖、酢で味付けしてあります。酒の肴にピッタリです。

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甲羅の中に蟹酢を入れてガツガツ召し上がってください。1杯で味がわからなかったら、2杯、3杯続けてどうぞ!  

開高健の筆を借りるなら、

「雄のカニは足を食べるが、メスのほうは甲羅の中身を食べる。それはさながら海の宝石箱である。

丹念にほぐしていくと、赤くてモチモチしたのや、白くてベロベロしたのや、暗赤色の卵や、緑色の゛味噌゛や、なおあれがあり、なおこれがある。

私に言わせると、雌のほうがはるかに深く広大で起伏に富んだ味を持っているのである。

これをどんぶりの大盛りにしてガブっとやると、一挙に本質が姿をあらわすのである。」

                                     「地球はグラスのふちを回る」より

コウバコの味を「脆美、繊鋭、豊満、精緻」と表現しています。たたみかけるような文体、かっこいいな~!

みんなを見渡すととまるで川に溺れかけた者が夢中で顔をあげて、また沈みこむみたいにカニと格闘しています。恍惚の目つきでカニをむさぼり、時々気づいたように手をのばして酒を一口。そして再び皿に顔をつっこむ、といった具合でした。

           日本海の比類なき繊細さに皆様一同感服したご様子でした。

去年の年末にブイヤベース宴会をしてからあっという間の一年でした。今年もいろいろステキな出会いがありとてもエキサイティングな一年となりました。

好きな人と、美味しい食事を囲んで楽しく飲んで食べる。これ以上の幸せはありません。

また今年同様来年も、私を含めて皆様が切磋琢磨して自分自身を磨き、より魅力的な人物になることを願っております。

そして、がんばりすぎてちょっと疲れたな、と思ったらまた宴会をやりましょう。

ここは気持のいい海辺の丘の上で、こんなビストロがあったらステキだろうなぁ、という想いが生み出した理想で架空のビストロです。

     そんな夢のようなとろける時間をまた皆様と一緒に過ごせることを楽しみにしております。

 

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コスプレごっこでも借り物競争でもなんでもしてくれ。子供は子供で自由に遊びなさい。

2008年11月23日

海楽丸陸揚げ

昨日は波がまだ高かったですが、久々の青空でした。気持いい~!

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シケの後には必ずgood waveがやって来ます。青く光った横に長いキレイな波が次々押し寄せます。

そろそろ私の愛艇゛海楽丸゛を陸揚げしないといけません。超ヒマな今日がチャンスです。お隣りの瓦屋のGさんをたたき起こし、協力を要請。

       「おはよう、ワケナシの良平ちゃん、おう、わかったぞ、手伝うぞ!」

      「Gさん、手伝ってくれてありがとう、お礼にあの写真、奥さんに見せるのやめるわ」

朝から微妙な会話を交わして旧港へ移動。


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塩ビ管を船底にかまして、ゆっくり引き上げます。港の隅っこで来年の4月まで長いお休みです。

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レジャー船は11月になるとだいだいは陸揚げします。刺し網船、定置網船もそろそろ終わりに近づいてます。寂しいね。

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船外機は自宅へ持ち帰り、簡単な掃除をします。15馬力のフォースト、一人じゃ抱えきれない重さです。


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エンジン内の海水を流します。そしてプラグの交換、グリスアップ、オイル交換などなど・・・本来なら業者にやってもらっているのだが、その業者、夏に夜逃げしちゃって(駆け落ちとの噂も)消息不明。
逃げてもすぐに見つかるのにね・・・

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Gさんに手伝ってもらったなら、今度は私が瓦仕事を手伝う番です。give&takeの精神です。


  

2008年11月21日

シケの日に思うこと

長いシケが続きます。今日も波5mで西の強い風が吹いてます。仕事は休み、明日のダメ、あさっても・・・、こうなったら飲んで遊ぶしかないな。

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港内の底引き船も間口から入ってくる波と風で大きく揺れています。いつになったら出漁できるのだろうか?

午前中に事務仕事をしていたら(嫁さんは超ドンブリ勘定、とても任せられない)、書棚の奥に大学の頃のアルバムを発見しました。仕事の手をとめ、ペラペラめくります。いや~、懐かしいな。皆さんもちょっと覗いてみますか?

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日大の体育会系潜水部の面々。夏の三宅島合宿の一コマ、今は溶岩に埋もれてしまった民宿前。
この海でブラックアウト寸前になるまで素潜りの練習をしました。

円陣を組み、大声をはりあげながら潜る姿を、堤防から見ていた今は亡き三宅在住の鳥類学者ジャック・モイヤー氏が指で差し、怪訝な顔つきで、

                 「They are crazy?」 と質問されたこともあります。

             「Yes、 we are crazy about free diving、you know」

                      狂うと夢中は同義語ですよね。

植村直己が青春を山に賭けたなら、私は海に青春を賭けました。ボンベをかつぎ、葉山、大島、三宅、八丈、小笠原、座間味、西表を潜りまくりました。東京にいるときは、交通量調査などのアルバイトに精をだし旅費を稼いでいました。勉強する時間は残念ながら(?)なかったです。

夏休みと春休みは西表島のダイビングショップで居候生活、オーナーの猫より低い身分でしたが、船底掃除で誠意をみせてだんだんと可愛がられ、朝から晩まで楽しく仕事させてもらいました。島ならでは無茶苦茶面白いエピソードもたくさんありますが、またいつかお話します。

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あっ、体連だ! 正式名称は日本大学経済学部体育団体連合会です。私の人生に多大な影響を与えた団体です。この活動のため、時間をはじめ、いろいろなものが犠牲になりましたが、こんなに哀しくもあり、おかしくもあり、時代に逆行している団体は見たことがありません。大川興行より100倍面白い悲喜劇がありました。いつかこのことを誰かに言わなければならないような気がしてます。

誕生は1960年代の学園紛争の頃です。いろんなセクトや全共闘などを取り締まる、武道系クラブを中心とした、いわば大学側の組織が体連の始まりです。

時代は流れて本来の役割が終了したのにもかかわらず、体連は脈々と存続しました。政治的にはまったく主義主張はありませんが、大学の行事全般を取り仕切る組織へと変わっていきました。

体育祭、学園祭、球技大会、スキースクールなどなどを企画・運営を学校側から委託され、その実行に命をかけてました。厳しい上下関係、ビンタ、酒、緊張、拘束・・・、もちろん女っけなし。

各体育会系クラブから一名体連担当が選出されます。体連に参加しないと、そのクラブの大学側からの待遇が悪くなります。例えば、部室の取り上げだとか・・・、だから代表で潜水部から私が派遣されました。ここから大学生活が一変しました。血の粛清とでもいいましょうか・・怖かったな~

ビンタは日常茶飯事です。胸元の蹴りもあったな、それと至近距離から硬球を投げつけられたことも・・・

どんなことでビンタをくらうかって? それがとても些細というか、当時は重大だったというか・・・

体連主催の菅平スキースクールでこんなことがありました。

体連の2年生は生徒10名くらいの班を受け持ち、そこのコーチのサブとしていたせりつくせりのサービスを尽くします。面白いこと言ったり、食券買ってきたり、わざと転んでみんなを笑わせたり・・・、なんでこんなことをするかというと、班にはもう一人、怖い3年生の体連の先輩がついていて、2年の仕事ぶりをチェックします。

夜、生徒が寝静まった後で体連全員が集合して血の総括がはじまります。なんか雰囲気悪いぞ・・先輩の顔が青いぞ・・

  先輩  「おい、戸井、立てよ!」

  僕    「セイマス(失礼します、の体連語、ちなみにあいさつは全て、チワ!の一言)」

  先輩  「お前の班の女の子、帰りのバスで寝てたろ。」

  僕   「はい、疲れて寝ていたと思います。セイマス」

  先輩  「バカ者! お前のしゃべくりがつまんねぇーからだよ!」

  僕   「ん? ・・・セイマス・・・」

  先輩  「言ってわかんねぇー奴は前に来い。」

  僕   「はい、セイマス・・」 と言って先輩の前へ歩み寄る。

  先輩  「明日、挽回しろ、歯をくいしばれ!」 強烈なビンタ炸裂。

  僕   「どーも、ありがとうございました。セイマス・・」 一言礼を言って席に戻る。

こんなことが延々と続いてました。もっと面白い話もありますが、それもまた今度ということで。

先輩達が嫌いになったかって? いや、全然、大好きでした。みんな演じていたのかもしれませが男気がありました。先輩は先輩らしく、後輩は後輩らしく、秩序ある組織でした。いつもの飲み屋で先輩に会ったら嬉しかったものです。

    先輩  「おばちゃん、あそこのテーブルにビール5本あげといて、体連の後輩なんだよ・・」  
      
    後輩  「先輩、どーもありがとうございました。ご馳走様です、セイマス!」

社会人になって会社の先輩と飲みに行って割り勘と言われたときは、びっくりしました。私の美意識じゃ考えられなかったです。後輩に金出させるなんて・・・

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17年くらい前の私よ、大学のときは面白かったよな? 今も充分面白いから心配するなよ。

2008年11月19日

好きな本シリーズ

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今日の波は5Mの大シケ、もちろん休漁です。漁師はマージャン、パチンコ、スナックと楽しい休日を過ごしていることでしょう。

私は午前中に注文分の干物作りだけして仕事が終わりました。さぁ、自由時間です。ジョギング、筋トレなどやることがたくさんあります。ブログもマメに更新しないと全国にたぶん1000人くらいいらっしゃるファン(?)の方に申し訳ない。なんだかいつも時間に追われてます。

仕込みのない夜は嫁さん、子供をシャットアウトして書斎に籠もり読書三昧、最高の時間です。

今日は部門ごとに分けて、私のお気に入りの本の紹介をします。

歴史部門第一位、 井上靖 「敦煌」

西域の敦煌の石窟から発見された膨大な経典。その背景にはきっとこんな歴史的事件があったに違いないとイメージを膨らませ、詩情豊かに書き上げた作品。男心をくすぐる西域のロマンがあります。

ちなみに真田軍記のなかの「犬坊狂乱」は、ある書物に「下条家褒美犬坊変死之事」という一項があり、それをもとに物語を作ってます。この凄まじいほどの妄想力、飛び抜けた才能です。


                  
エッセイ部門第一位、 向田邦子 「父の詫び状」

「寺内貫太郎一家」のモデルだった、明治生まれの頑固で癇癪持ちのお父さんのことを向田流のはぎれのよいテンポで描いてます。まだ父の威厳が保たれていた時代の話、羨ましいけど真似できない。

どうしてそこまで男の弱い部分が理解できるのか不思議です。人間的な温かみに溢れています。
私とは時代が違うが、もし出会っていたらきっと好きになった思うほど魅力的な女性です。

惜しい人を飛行機事故で亡くしました。もう、いないと思うととても悲しいです。

ルポルタージュ部門第一位、 開高健 「オーパ」

釣り紀行文の金字塔です。高校の頃に出会いこの幾十にも構築された文体に衝撃を受けました。開高健の文章はまるで宝石のように輝いています。いい年をした大人をそそのかす要素があります。現代の作家さんとはレベルが違います。

できることなら20年早く生れて、集英社に入社してオーパ隊の一員として一緒にアマゾンへ行きたかったな・・・ 

戦記部門第一位、 大岡昇平 「俘虜記」

フィリピンでの捕虜生活を客観的かつ理系のような文体で語っています。特に前半の「米兵をなぜ射たなかったか」という命題を緻密かつ誠実に説明するところは一読の価値ありです。頭がキレすぎです。

昔、井上靖と「歴史小説とは何ぞや?」 ということで喧嘩したけど、詩人肌のロマンチストと理系の現実派の言い争いは決着するはずがありませんね。

恋愛部門第一位 村上春樹 「ノルウェーの森」

唯一愛読した恋愛物、一気に春樹ワールドへ引っ張られました。この本は世の中にでる宿命があり、すでに亡くなってしまった方々の心の叫びがあったはずです。初版から20年以上たった今でも本屋の書棚に座り、新しい読者を獲得し続ける、稀有な作品です。映画化決定とも聞いてます。楽しみです。

できることなら、作者にもう一度あの頃の時代背景の作品を書いてもらい、主人公のワタナベ君や直子や緑にまた会いたい。

     「私のことをいつまでも忘れないで。私が存在していたことを覚えていて」と。

  そう考えると僕はたまらなく哀しい。何故なら直子は僕のことを愛してさえいなかったからだ。

                                       「ノルウェーの森」より抜粋

まだまだ続きたいのですが、なんだか気が重くなってきました。今日のところはこのへんで終わりにします。

2008年11月18日

寒波襲来

いい感じでシケてきました。輪島上空に強い寒気が流れ込み、西高東低の冬型の気圧配置となります。

外は強い風で草木が大きく揺れていて、遠くから低音のきいた海鳴りが聞こえます。いよいよ冬がやって来ました。

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今日の泉の浜の様子、北西の強い風が吹いてます。

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港の出入口が北西に面しているため、この風だとモロに波をかぶります。

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尼御前サービスエリアから見る一文字灯台。いい感じだ。どんどんシケてくれ。セリも発送も漁師も一休みです。閑のない生活は精神上良くありません。

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橋立上空を覆う鉛色の空。これです、北陸の冬の色です。

こんな日は安い足折れ蟹を買って、暖房のきいた部屋で、いい音楽を聴きながら蟹宴会したいものです。香箱の塩茹でを贅沢に雑に食べ、ズワイの鍋して最後は雑炊もいいね~。いや、ブイヤベースがいいかな、横にはヒラメの昆布締めもあった方がいいな、そしたら冷酒、熱燗、どっちがいいかな・・・

こんなことばかり考えてます。長くて、暗くて、寒い北陸の冬はたくさん面白いことをしないと気が滅入りますからね。

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金沢情報にちょこっと載りました。料理上手な漁師さんだって!ホントかな? 撮影の日、発送業務がメチャクチャ忙しくて、料理らしい料理ができず失礼しました。

次にもし機会があるなら、革新的で、創造力豊かで、まったく新しい一皿、液体窒素とフラスコを多用した、橋立のエル・ブジといわれるような料理を作りますのでぜひまたお越しください。

2008年11月16日

本日、蟹船沖泊まり

底引き船の操業スタイルは3つに区分されます。

①日帰り
夜出港の夕方着。そして数時間家に帰ってまた夜出港。カニ漁(11~3月)以外の時期は通常このスタイル。

②折り返し

夜出港して夕方着、水揚げを下ろしてすぐに出港。

エビ漁やカニ漁はこのスタイル。

③沖泊まり

シケの関係などで朝出漁した場合など、夕方に帰港せず次の日の夕方まで漁をして帰港。

エビ漁、カニ漁はたまにこのスタイル。

今日の沖泊まりは、明日の午前頃からシケになることがハッキリわかっているので、そのギリギリまで漁をするためにおこないます。

       火曜日からは波3Mのシケ模様となります。獲れるうちに獲らないとね。

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シケの前は風がピタッと止みます。統制がとれています。武田の精鋭、一糸乱れず。

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嵐の前の静けさ、ヒステリーが起こる前兆です。キャー、怖い・・・

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11月の冷たい雨が黙ったまま静かに降っています。まるで世界中の細かい雨が世界中の芝生に降っているような、そんな沈黙がつづきます。

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壁にはまだ夏のオブジェが掛かっています。片付けると一気に冬が押し寄せてきそうで・・未だそのままになってます。

     奇跡のように美しい夏が恋しいです。シチリアーナ気分でテラスで宴会したいな・・

2008年11月14日

深夜の塩茹で

昨日の話、セリが終わったのが22時、それからが私の仕込み時間となります。

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いっぱい買っちゃった・・・、ズワイ18杯、香箱160匹、それに生魚少々・・あ~・・・、これから塩茹でです。

注文分は早めに送らないと心配です。来週は寒波が来るというし、連休+お歳暮のシーズンインだし・・蟹の値が上がる可能性大です。

               眠いけどしっかり働いて、週末は飲みに行くぞ!

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ご希望があれば蟹酢も入れときます。

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蟹と干物のコラボは魅力的な贈答品です。いつもの決まり文句を添えて・・・発送。それにしても汚い字です。小学生低学年レベルです。あまりにも汚いのでイタズラかと思われる恐れあり。

2008年11月13日

旅する魚屋 蟹バージョン

蟹の時期は発送業務など忙しい日々が続きますが、基本は゛旅する魚屋゛です。シケないかぎり、ルーティーンワークをしっかりこなします。ランニングも水泳も軸が大事なように、魚売りも軸となるものを疎かにはできません。

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家庭で食べる香箱蟹はやや小ぶりで一杯500円くらいのものを用意します。贈答用なら一杯1000円くらいの立派なものをオススメしています。

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お年寄りや捌くのが苦手なお客様用にばらした香箱も販売してます。これが最初に売り切れとなる人気商品です。

ちなみに雄のズワイガニは注文のみ受け付けていますので、一緒に旅することはできません。売れるか、売れないかわからないのに一杯何万かのズワイは怖くて買えません。

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セリ場でも蟹の赤一色です。なので普通の生魚が品薄となります。定置網漁で獲れたフクラギのサクとゴチ網漁の子イカも持っていこう。

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あとは赤カレイとアジだけ。ちょっと寂しいけど仕方ない。蟹場だから・・・

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こういうときは焼きサバの出番です。サバヴィアン、頼りにしてるぞ!

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アジの干物もベンチ入りです。冷蔵で3日、冷凍で1カ月保存・・云々・・、母ちゃん、どうする? 買っとけや~・・・ 

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惣菜もたくさんあります。ミートソース、照り焼きハンバーグ、チキンカツ、アジのあんかけ、なんかいろいろ・・・、忙しい美容院や保育園や会社のママさん達に人気です。出発前の電話予約で大半は売れてしまいます。嫁さん担当&配達。

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時間も押してきました。そろそろ旅にでます。蟹の注文がたくさん取れますように・・

2008年11月11日

六本木ヒルズ発送で私もヒルズ族?

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昨日のセリの一番蟹です。一杯2万円を4杯とその他いろいろを六本木ヒルズへ発送しました。

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明日のパーティー用らしいです。依頼主は日大の潜水部の同期、偉くなったものだ。私などは入学早々、一切の学業を放棄して青春を海に賭けた潔さが自慢でしたが、コヤツは裏でコツコツと勉強してたのかな? してないと思うけど・・

大学4年の春くらいになると、今まで遊びほうけていた友達達がリクルートスーツに着替えて就職活動する姿に愕然としました。おいおい、俺たちはクジラやイルカと一緒に泳ぐことや、南太平洋のダイビングショップで働くことを夢みて毎日怠惰をむさぼっていたのに、冷水をあびせるような行動をしちゃって・・・

今思うと、とても青臭くガキっぽい考え方でした。大学を1つのステップとして上にあがる者、いつまでもそのへんをウロウロしている者、私は後者です。気持ちは今だに水道橋あたりをグルグル漂っています。

    漂えど沈まず、世間から少しずれて、いつまでも低空飛行を続けている私です。

          「機長、危険です。高度が下がって山肌が迫ってます! 」

              「そのときはそのときだ、腹をくくれ・・・」

なんの話だっけ・・・?

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テープを赤色に変えてみました。たくさんご注文いただいて感謝感謝です。

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クロネコヤマトのお姉さん方にも評判がいい戸井鮮魚シール。今日も全国を駆け巡ります。

2008年11月10日

娘を嫁に渡すつもりで発送

手塩にかけた娘を嫁に渡すような気持ちで蟹を発送しています。

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まずは元気な蟹を真水で〆ます。生きたまま茹でると自分で自分の足を切り取る自傷行為を計る恐れがあります。足が折れたら贈答品としての価値がなくなります。

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泥などの汚れをしっかり落とします。さっぱりしたところで・・・

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塩茹でします。沸騰したお湯に蟹を入れて、再沸騰してから約15分茹で上げます。

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さぁ、発送しますか! 忙しい作業中、フト外を見るとウド鈴木がいるではありませんか!

               「ウドちゃーん! こっちおいで!」

東海地方の旅番組の取材のようです。トイジジパークやリビングで撮影してました。帰り際にスタッフに

           「私、ブログやってるんですが、チョット載せていい?」

の問いかけに

          「イヤ・・・ちょっと・・ボソボソ・・・ダメなんです~」

とのこと。この世の中、ギブ&テイクが基本なのに一方的に断られました。家にまで上がってきたのに・・・、感じ悪いです。もう遊んでやらないぞ。

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決別の朝、父が娘にブーケを手渡す。

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こらえていた涙が流れ出す。「お父様、大変お世話になりました。私、幸せになります。」

       あ・・あ・・、こんなことして遊んでる場合じゃない。急げ、セリが始まるぞ・・・

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こんな気持ちで発送しています。

        商売とは、買い手良し、世間良し、売り手良しの「三方良し」が大事ですね。

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友達の結婚祝いにプレゼントする浅蔵一華さんのお皿です。やや細長いオーバル皿は料理の盛り付けがしやすいです。やや間隔を置いて、真鯛、甘エビ、アオリイカの刺身三点盛りなんかしてみたいね。

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一華さん達のアーティスト集団による個展が明日より上記の会場で開催されます。こんなお皿、欲しくない?

2008年11月 9日

蟹の値が安定

初ナギのセリはコケましたが、二日目からはそこそこの水揚げで蟹の値が安定、高くもないし、安くもないレベルまできました。

私としてはズバリ買いです。モリモリ競り落としドンドン発送します。

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ガスレンジは一日中フル稼働です。

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茹で上がり、あら熱がとれたらパック詰めです。

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足折れのズワイは値がガクッと下がります。贈答用ならマズイけど、自宅用ならこれで充分です。

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金沢情報誌KCCの取材を受けながらの発送作業。充分なお構いもできず、気の利いたジョークも言えず(?)失礼しました。

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第一弾の発送終了、これからが本番です。ナギが続くことを祈ります。

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ビストロという文字に弱いです。あとシチリア、地中海、スペイン、タヒチ、アマゾン、山城、永禄・元亀・天正年間、レイテ、インパール、開高健、南西諸島、恐竜・・・、こういった文字が雑誌の見出しにでると買わずにはいられません。

2008年11月 7日

初セリ不漁・・・残念至極

初ナギ、コケました。近年まれにみる不漁です。特に香箱蟹の水揚げが全くと言っていいほどありませでした。

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宝勝丸の本日の香箱の水揚げは3箱だけ・・・ Are you kidding?

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こちらは去年の写真です。去年は大漁でした。ブルーシートの中にはトラック一杯分くらいの香箱が仕分けを待ってます。


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テレビ局の取材もチラホラありましたが、活気がなく秋風のような寂しさが漂います。

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こちらは去年の取材風景です。通路が蟹で狭いにもかかわらず強引に真ん中でテレビ中継しています。この強引さは蟹の大漁をより多くの人に見てもらおうとする熱意の表れ、去年はお祭りのような活気がありました。

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がらんとした市場、あと10分くらいでセリ開始とは思われないほどの静けさです。

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こちらは去年のセリ前の蟹、香箱蟹のトロ箱が何段にも重ねられてます。

セリ場を眺めてすぐにご注文いただいたお客さまに電話しました。

「全然香箱おらんし、明日の発送はやめて来週に回した方がいいですよ。今日はとんでもない値がつくよ・・・」

予想通り、ズワイ、香箱ともどもとんでもない値がつきました。おまけに輪島は初ナギはシケで休漁、三国も不漁の影響もあって品薄状態です。

来週です。今晩からシケますが来週はナギが続きます(多分・・)。ギャンブル性の高い蟹漁、胃が痛くなる日が続きそうです。

2008年11月 5日

今晩から蟹本番 

今晩、蟹漁解禁です。明日が蟹の初セリで店頭に並ぶのが7日となります。海況はベストコンディション、大漁を期待します。

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出漁前の宝勝丸。いつもと違う、ピリピリした緊張感があります。若い衆も静かな闘志をみなぎらせています。目指せ一番漁!

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船頭到着、さっそく御神酒で網を清めます。

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ドラムも大事なところ、清めます。

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 船頭の、「離せいやー」の合図で船はゆっくりと岸壁を離れ、漆黒の海へ滑り込んでいきました。

                        大漁を祈願いたします。

漁師は11月の蟹漁が一番金になります。初ナギ(今日のこと)は熱が出ようが、身内に不幸があろうがそんなの関係ないです。基本的に有給休暇などありませんので、指をくわえて日当20万(多分それくらいになるでしょう)をフイにできません。11月の給料は100万超えが目標です。1月,2月なんてシケで全然漁にでられないんだから、稼げるときに稼がないといけません。それは私も同じ、漁師がコケれば私もコケる、運命共同体です。


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私のほうも準備万端です。蟹を注文してくださった方々、良い蟹送るよ~!

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白山の山頂に薄っすらと雪化粧、山の稜線がハッキリ見えています。とても清々しい朝です。早朝に木場潟を2周ジョギング、約12キロ、体が軽いぞ。

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最近買った本シリーズ

                          「僕って何」

高校の頃に読んだ本を発見しました。小松の高校生であった私にとって東京での独り暮らしや大学生活というものに対して強い興味を抱かせる本でした。

「ノルウェーの森」もこの本も舞台は60年後半の東京。私は80年後半に上京、あと20年早く生れたかったです。

ところで「ノルウェーの森」映画化決定ってホントなの?

                      「瀬島龍三 参謀の昭和史」

山崎豊子の「不毛地帯」の主人公の壱岐正のモデルではないかと言われている瀬島龍三。若くして陸軍大本営作戦参謀、シベリア抑留、戦後は伊藤忠の企業参謀、のちに会長、さらに中曽根総理の政治参謀・・・この超エリートはいったい何者なのだ?

                         「あの人に会いたい」

会いたい人はたくさんいます。開高健、向田邦子、井上靖、司馬遼太郎、大岡昇平、吉村昭、植村直己、一ノ瀬泰造・・・あ~ぁ、みんな死んじゃった・・・

2008年11月 4日

干物増量体制

きらきらのじかん二日目、前日の反省を活かし干物の増量と、新たに甘ダレ付焼きサバ、ドレッシング、リンゴジャムなど新戦力を追加して万全の体制で臨みました。

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干物小屋いっぱいの容量をフルに使います。約250匹干します。魚は赤カレイ、カマス、メギス、カワハギの4種類。こんなにたくさん売れるか心配になってきた・・・

商売とはいつも弱点を突いてきます。仕込みが少ない日に限ってお客さんがたくさん来たり、それを反省してたくさん仕込むと全然お客さんが来なかったり・・・

そこが商売の難しさでもあり、面白さ(読みが当たったとき)でもあり、ギャンブル的なところでもあります。図太い神経と羽毛のような繊細さ、両方が必要です。

私にはすぐに弱虫風が吹く悪癖があります。まだ始まってもいないのにステージから半歩足を下ろしているような感覚。石川県人特有のおっとりさでしょうか?

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パック詰めが終わり車に積み込みます。

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会場のやもりもやに到着。格子が美しい。


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商品を並べます。どうか売れますように・・・・。格子の隙間からは暗い空と激しい雨の音が聞こえます。

       「大丈夫!、きっと晴れるよ!」と横のワッフルのまなびぃさんと励ましあう。

  そしていつしか雨は止み、お客さんがドドッと流れ込んできました。今日も凄いことになりそう。

なんていったって250枚の干物を売りつくすにはボヤボヤしてられません。低音を効かせたやや高圧的な売り口上でお客さんをひきこまなくてはなりません。

「ちょっと!お母さん、橋立の一夜干し、晩飯にどうや? 父ちゃん喜ぶぞ、ちょっと持ってみいや、半生タイプでずっしり重いぞ! 買うか? 買わんのか?どっちや?」

「かわいい姉さん! ワッフル買ったついでに干物もどうや?クッキーもあるぞ、魚屋クッキーといっても魚粉は入ってないよ、アハハハ・・ハァーハ・・・」

たまには芸風を変えて、リッツカールトンのフロントのように

            「いらっしゃいませ、こちらメギスでございます。」

と言ってみたり、周りの出店者のみんなからいろんな助言をいただきあーでもない、こーでもない、といろいろなことをしているうちに、干物と焼きサバ完売! みんなありがとう!

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二階ではお隣にお住まいのガラス作家の秋友さんが極上の接客態度でお客さんを迎えいれてます。きっとお客さんも癒されていることでしょう。
年末に打ち上げしなきゃね!

リンゴジャムとドレッシングは残りましたが、ご近所や力を貸してくれた方々にプレゼントしてきれいさっぱりなくなりました。超ー気持ちいい!

すべて終わって就寝する前に電話がかかってきました。焼きサバがホントに美味しくてまた食べたいとの事、ありがたいことです。

その方の家がちょっと遠くて配達できないとお伝えすると、

             「じゃ、来年のきらきらでまた会えるの?」

             「お誘いを受ければ出店しますよ。」

             「まぁ、嬉しい!じゃ一年待ってるわ。きっとよ」

             「では、一年後にお会いしましょう。おやすみなさい。」

きらきらのおかげでいろいろな出会いをいただけてありがとうございました。スタッフのみなさんの熱意に感服と感謝の気持ちでいっぱいです。来年もぜひ参加させてください。ありがとうございました。

2008年11月 2日

圧巻! 城下町時代結婚式

大聖寺でおこなわれた大正期の古き良き日本の結婚式に、娘が花嫁さんの手を引く雌蝶役で登場しました。緊張するなよ・・オシッコしたかったら早めに言えよ・・ 足のシビレはがましろよ・・・、親としてはハラハラドキドキです。

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まずは花嫁・仲人・雌蝶・雄蝶・着物の女性7名で舟乗場までお練りをします。この行列を一目見ようと数百人の人だかりができました。いたるところでフラッシュ、シャッター音、まるでレッドカーペットを歩くハリウッドスター並みの注目度。なにやらすごいことになってきたぞ。

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大聖寺川の舟乗場から流し舟に乗り、婚家へ向かいます。

     花嫁さんが舟にのって運ばれてくる・・・この感覚、なんてステキなんだろう!

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Wow! 人、人、人・・・

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もの凄い数の見物人です。1581年(天正9年)の信長による洛中馬揃の大パレードの見物人に次ぐ多さと共同通信社から発表。

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船頭の唄に合わせて二隻の舟が風に揺られながらゆっくり出発。

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そろそろ到着。なに笑ってるの?

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舟着場は紅白の幕で覆われています。

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降りてから婚家(アトリエ理さん)へ向かいます。

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玄関前で祝獅子の舞と合わせ水をおこないます。合わせ水とは花嫁が婚家の門をくぐるときに行なわれる風習です。
竹筒に汲んだ両家の朝一番の水を「かわらけ」に注ぎ、これを花嫁が一口飲み、そのあと「かわらけ」を落とし割り、二度と実家に戻らないとことを誓います。

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このあとお座敷で夫婦固めの盃、親子固めの盃をとりおこないます。襖の向こうから謡いが響きます。

凛として張り詰めた空気、静寂にして荘厳、絢爛にして質素、無駄のない空間、均整のとれた美意識、なんて言えばいいんだろう、日本の伝統的な結婚式、天晴れです。世界に誇れます。

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結婚式で二人の出生や出会いを放映したり、歌謡曲に合わせた入場や、ケーキ入刀や、人前でのキスや、仏教なのにチャペルでやったり、生まれたときのグラム数の熊の人形を親に渡してお涙チョウダイとか・・・もうそんな幼稚臭く自己満足的な結婚式はウンザリです。頼むから卒業してください。

       町全体が注目した儀式の美しさ、今時代が要求している結婚式です。

   この美意識を継続することは大聖寺の義務でもあり、活きる道なのではないでしょうか?

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披露宴会場まではアッシらにおまかせあれ。

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きらきらのじかんを甘く見すぎていました。なんという集客力! ウネリのような人の波、あっという間に干物が完売。 恐るべしきらきら。

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早めに帰って仕込み開始。明日はさらに品数を増やす予定。干物、焼きサバ、クッキー、ドレッシング・・

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